「デモテープ」の時代ではなくなったんだね

横浜で用を足したあと、最近すっかりホームグラウンドとなりつつある川崎へ。丸井の前で「ミック入来」が熱唱していた。貧乏臭くてウサン臭い西城秀樹のような、ホームレスのような年齢不詳路上シンガー。初めて知ったのだが、「学校へ行こう」にも出ていたらしく「貧乏たっぷり転がりロード」というCDまで出しているとのこと。
拳を空に向けて「♪今を生きよう 今が大好き〜」と熱唱する姿。何故かは分からないが間奏でひたすら全力疾走。ハートのアツさに感銘を受ける。周囲は明らかにポカーン。正直僕もポカーン。そして失笑。やはり僕も失笑。しかしあのパフォーマンスは凄かった。あの勢いをどう活字で表現できようか。
その余韻を残しつついざ楽器屋へ。ボーナス前にして欲しいものが出てきてしまった。最近はもう何でもデジタル化が進んでいるようで、「ハードディスクレコーダー」(HDR)。自宅でデモテープを作るマルチトラックレコーダー(MTR)のデジタル版。MTRでは一時録音用にハイポジのテープが必要だった。しかしこれが数十GBのハードディスクに取って代えられ、10時間以上もの演奏が録音でき、挙げ句デモCDまで作れてしまうというのだ。さらにはギター用のエフェクターや、ボーカルのハモリ機能・音程調整までできるスグレモノまである。使い勝手も良いし、これからは自分のデモCDなんかも作りやすくなる。思い切ってベースと一緒に買っちまうか。
駅まで歩いていたらミックを発見。エスカレーターでは一段下で彼をマーク。話し掛けようと思ったが、明らかに周囲が色眼鏡だらけだったので断念。それをものともせず堂々と街を闊歩するミックの自信に感動。人間このぐらい(までいかなくても)気概がないとダメだと思った。